まりーちゃんとおおあめ
まりーちゃんとおおあめ
フランソワーズ 作 きじまはじめ 訳
福音館書店 1968年
フランソアーズ/木島始 福音館書店 2003年02月
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フランソワーズの「まりーちゃんシリーズ」の一冊。
昨年は大雨による水害が多かったですね。
この本はそんな大雨による水害をテーマにしています。大雨が降り川が溢れ、まりーちゃんの家族は家畜達を山に避難させ、家の2階に避難します。水に浸かり孤立した家で助けを待つ一家…
この絵本自体はかなり古いものですが、つい最近もテレビで見たような光景です。3歳の娘とニュースをて「まりーちゃんの絵本と同じだね」と言っています。
幼児向け絵本なのでそこまでの悲壮感はなく淡々と語られてはいくものの、雨が上がり太陽が出た時の喜びはとても大きく描かれています。
雨が上がったあとは子ども達で近所の困っている人達の家を掃除しに行きます。最後の片付けまで描いている所もこの本の良いところですね。
(最近は子どもに感染症の危険が高い泥の片付けをさせる事はあまり良くないとも聞きますが)
フランソワーズはフランス出身の作家で(絵本自体はアメリカで出版されている)、まりーちゃんのシリーズはどれも南フランスの農家の暮らしを描いています。独特のフォークロアなフランスらしさの溢れる可愛らしい絵がとても特徴的。
この本で描かれたような水害もおそらくフランソワーズが実際に体験もしくは見聞きしたものなのではないでしょうか。
災害をテーマにした絵本というのは(低年齢向けは特に)なかなか難しいものだと思いますが、この本は良書だと思います。とりあえず高い所に逃げる、というポイントを抑えていますし。
自分が子どもの頃に読んだ時の記憶を辿ると、あまり災害の話とは認識していなかったようにも思いますが。