絵本のむし

おすすめ絵本の紹介

アンパンマンの絵本のこと その2(紙芝居シリーズ)

その1アンパンマンの原作絵本について書きましたが、

図書館派の人には図書館にあまり原作本がないな、とか、あるものは全部読んでしまった、という事もあると思います。

 

そんな時は是非紙芝居も探してほしいです。

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amazon商品ページより

 

アンパンマンシリーズは紙芝居もかなりたくさん出ていて、ミニブックスや初期の絵本と同じような内容を紙芝居用に描き直したような作品も沢山あります。

勿論やなせさんの原作絵です。

 

現在のアニメシリーズにも出て来るキャラクターが初登場?する話も多数あるので(ドキンちゃん、かびるんるん、だだんだん、もぐりんなど…)、普段アニメを見ている子なんかにも入りやすいと思いますので、最寄りの図書館に紙芝居シリーズがあるようなら是非お勧めします。

 

紙芝居シリーズは絵本と同じようでいて、「さあ、どうなるのでしょうか…?!」「いったいどうしたのでしょう?」(うろ覚え)のような煽りナレーション?がちょいちょい入ってきたりして、少し昔の紙芝居ぽさを感じさせたりします笑

 

因みに、私はよく自転車で図書館に行くので紙芝居を借りると持ち帰るのに苦労するため、自転車で行った時はなるべく図書館内の読み聞かせコーナーで読んで借りないようにしています…。

 

 

 

アンパンマンの絵本のこと その1(おすすめミニブックスシリーズ)

私は自分が幼稚園児の時にやなせたかしさんの原作アンパンマン絵本がとても気に入っていたので、娘にもアンパンマンは楽しんでもらいたいと思っていました。

オタクで原作から入りたい私は、まずはアンパンマンの原点を知ってそこから入るべき、ときっちりファーストアンパンマンから読ませました。実はファーストアンパンマンはそこまで低年齢向けではないので、3歳以上でないと少し長くて難しいかもしれません。

実際、今の多くの子どもにとって初めてのアンパンマン絵本は赤ちゃん向けのアニメキャラ絵本になりがちなんじゃないでしょうか。それはそれで良いと思いますが。

 

金字塔、ファーストあんぱんまん。

やなせたかし フレーベル館 1981年12月

by ヨメレバ

 

こちらはセカンド?アンパンマン。少し頭身が小さくなって、馴染みやすい感じに。

やなせたかし フレーベル館 1981年09月

by ヨメレバ

 

 取り敢えずアンパンマンを見るならどちらかは押さえておきたいです。アンパンマンのとにかくひもじい人を救いたい、自己犠牲、といった基本理念がわかるので。

それいけ!の方がデザイン的にもアニメ版に若干近いので可愛いかも。

 

やなせたかし フレーベル館 1979年07月
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by ヨメレバ

ばいきんまん初出の話。これもお薦め。初期ばいきんまんは毛が生えてたりする。

 

 

そして、私が幼児向けアンパンマン絵本として一番お勧めしたいシリーズは、

アンパンマンミニブックス」というシリーズです。

 

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フレーベル館より

 

 

これは私が幼児の頃図書館で借りては読んでいた大好きなシリーズで、小さいし短く読みやすいので2,3歳の小さい子にもとてもお勧めです。

娘にもこの本を読ませてあげたいのに、ちっとも見つからない…と思っていたところ、実は長い間絶版になっており、最近になってようやく復刊していた事がわかりました。

 

本当にお勧めなのに残念な点と言えば、このシリーズ、

「フレーベル館の公式オンラインショップ」と一部限られた実店舗(高知アンパンマンミュージアムのショップ、アンパンマンこどもミュージアム&モール内にある森の本屋さん(横浜、仙台)、アンパンマンショップ(四谷店、富良野店)、フレーベル館本社地下一階「えほんとおもちゃのお店」(駒込))でしか購入できないそうなのです。(※フレーベル館公式オンラインショップの情報)

 

こちらの公式オンラインショップで購入できます↓

www.froebel-tsubame.jp

 

大人の事情なのか何なのかわかりませんが、残念すぎる…。シリーズは全25巻あるので、全て面白いですがまとめ買いは躊躇する価格ですので、本を実際に見て選びたい場合は上記実店舗のどこかに行って選ぶしかないようです。

 

これもアニメ化される前の絵本ですが、頭身もアニメに近くて可愛らしく、ファーストシリーズほど絵に違和感もなく話も長くなく、現在のアニメシリーズでもよく見かけるお馴染みのキャラクターが登場する話も多数あります(かびるんるんてんどんまん、はみがきまん、ぶたまんまんなど)。

アンパンマンと◯◯」というタイトルの付け方からも分かる通り、事実上このミニブックスシリーズのストーリー形態がそのままアニメシリーズの基本にもなっているように思います。

 

そして何より、ストーリーがどれもユーモアがあって面白くてとても良いです。アニメ化される前の絵本なので、アンパンチが出て来ない所も特徴です。

アニメのアンパンマンを見て、何でもかんでもアンパンチで解決はな〜 と少しモヤモヤしている人にもこのシリーズはお勧め。

アンパンマン自身のキャラクターもアニメのようなつまらない聖人君子風ではなくて、人間味があって良いのです。

 

やなせたかしさん自身の絵による原作絵本は他にも「アンパンマンのおはなしでてこい」のシリーズなどがあるのですが、こちらは少し話が長くて込み入っていたりするため、2歳くらいの幼児には向かない感じがあるんですよね。

小さい子向けならやはり私は断然ミニブックス推しです。

 

個人的にはアニメ絵本はあまり好きではなくて、本来動画である絵を1枚持って来てそこに文章を付けている物はやや無理があり、文章も詰め込みがちになるので絵本としてはどうしてもイマイチになってしまう。

まあ、それでも図書館なんかで子どもが借りたがったら借りて読みますが、どちらかと言えば原作絵本の方に誘導しています。このミニブックスが図書館にあればいいのに。

 

ミニブックスを揃えるのもちょっと躊躇するけど、図書館なんかを利用して原作アンパンマンには触れさせたいな、と思っている人には、ぜひ紙芝居をお勧めしたいです。

アンパンマンの絵本のこと その2

くしカツさんちはまんいんです

「くしカツさんちはまんいんです」

 岡田よしたか 作

 2013年 PHP研究所

 3歳〜

岡田よしたか PHP研究所 2013年11月02日

by ヨメレバ

 


これも「うどんのうーやん」と同じ岡田よしたかさんの作品で、食べ物達が主人公の絵本。


串カツさんのところ(串)に故あって串なしになってしまったネギ、きりたんぽ、みたらしだんごが無理矢理間借り(串借り?)している、というところから始まる話です。
関西弁の台詞回しがコントのような感じで、とても面白いです。私は読みながら結構笑ってしまいます。


話がとても上手く出来ていて、個人的にはうーやんと同じくらい面白くて好きですね。

真似したくなるような愉快な言い回しが沢山あります!

 

うどんのうーやん

うどんのうーやん

 岡田よしたか 作

 ブロンズ新社 2012年

 3歳〜

岡田よしたか ブロンズ新社 2012年08月

by ヨメレバ

 

かなり有名になった絵本なので知っている人も多いかと思いますが。

私はまだ独身だった頃にネットでこの本の噂を聞き、面白そうだと思って本屋で(自分用に)買っていました。

娘には2歳くらいから?読み聞かせていて、少し長いけれど2歳でも充分楽しんでいましたね。


全体にわたって関西弁で、それが独特のゆるさを生み出しているユニークな絵本です。

大人が読んでも笑える台詞回しが沢山あります。
関東民の私が読みきかせると似非関西弁になってしまうのが残念ですが…。


岡田よしたかさんは他にも食べ物が主人公の「〜〜の〜〜さん」シリーズをいくつか出されていますが(「こんぶのぶーさん」、「ちくわのわーさん」、「さくらもちのさくらこさん」等)、話のテンポや台詞のキレなど「うーやん」がトップクラスで面白いように思います。

 

上記のシリーズに限らず、岡田よしたかさんの絵本は食べ物登場率というか食べ物の主人公率がとても高いですが、顔や手足を一切描かずに擬人化(というのか?)している点がすごい表現力だと思います。豆腐がしょんぼりしてたりするシーンなんかが本当にしょんぼりして見える。

 

あとこれはうちの個人的な話ですが、うーやんたちの前に河が現れ


「かわです。  

       

         『わたるしかないやろ』」

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というかなり最高なシーンがあるのですが、娘はこの台詞が好きで、あまりやりたくない事を命令されてぐずっていても(例:ズボンをはきなさい、など)

最終的に、

「もーー  ……はくしかないやろ!!!」

 

などと言って(自分を納得させて?)やってくれていた事が一時期ありました。
あの時はうーやん凄い!!と感謝しました。

絵本の面白い台詞や言い回しを日常で使う、というのはよくありますが、

何かこの台詞は汎用性が高くて良いですね。

 

 

 

他の食べ物シリーズ。

「ちくわのわーさん」

岡田よしたか ブロンズ新社 2011年10月

by ヨメレバ

 ちくわはデザインがシンプルな分少し不気味。鯉のぼりになってみたり巻き寿司になってみたり、ゆるく行きます。

 

「こんぶのぶーさん」

岡田よしたか ブロンズ新社 2013年03月22日

by ヨメレバ

 こんぶのぶーさん、漫才がやりたくて相方を捜します。「漫才」が何なのか分かっていない幼児にはちょっと難解かも?と思うがどうだろう。

 

「さくらもちのさくらこさん」

岡田よしたか ブロンズ新社 2019年01月20日

by ヨメレバ

 ずっと男性的なキャラが主人公だったけど、これはめずらしく女性!でもそこは何か一筋縄ではいかなくて、何でか拗ねているひねくれもののいけずなお嬢さん。和菓子だけど優しい女性じゃないって所が面白いですね。

 

とんとんとめてくださいな

「とんとんとめてくださいな」

 こいでたん 文 こいでやすこ 絵

 福音館書店 1992年

3歳〜

小出淡/小出保子 福音館書店 1992年09月
 
by ヨメレバ

 

 

ハイキングに出掛けた3匹のねずみ、日が暮れて霧が出て道に迷ってしまい、山小屋を見つけて訪ねるが誰もいない。そこに次々と訪問者が…
クライマックスに向けて盛り上がる本です。

 

この本は自分が子どもの時にも大好きだった絵本。
といってもこの本はうちにはなく、よく遊ぶいとこの家にあって叔母に読んで貰った思い出。

そういえばあの本好きだったな、と思い出して娘のために購入しました。


子どもの時には気付かなかったけど、実は最初のページにヒントがあった!
色鉛筆の絵もほんわかしていて和みます。

怖がらせておいて最後とても安心させるコントラストの強い展開なので、子どもにとってもカタルシスがあるのかも?

 

同じ登場人物達が出て来るシリーズ本があります。どれも面白いのでおすすめです。

 

「とてもとてもあついひ」

あついひに、みんなの大事な物が色々と無くなる。みんなで犯人を捜していくと…

小出淡/小出保子 福音館書店 1993年05月

by ヨメレバ

 

 「ゆきのひのゆうびんやさん」

雪の日にうさぎさんに代わって郵便配達に行く3匹のねずみたち。

小出淡/小出保子 福音館書店 1992年11月

by ヨメレバ

 

「はるですはるのおおそうじ」

今気付いたけどこれだけ未読でした。

小出淡/小出保子 福音館書店 1993年03月

by ヨメレバ

 

この4冊で春夏秋冬になっているんですね。

ゆきのひ

「ゆきのひ」

 エズラ・ジャック・キーツ 作 きじま はじめ 訳

 偕成社 1969年

 3歳〜

エズラ・ジャック・キーツ/木島始 偕成社 1983年03月

by ヨメレバ

初めての雪遊びの新鮮さを描いた、言わずと知れた名作絵本です。

今は雪の降る地方に住んでいるので、

これを読んでうちの娘も足跡を付けたり天使の人型を作ったりしました。

 

大変有名なロングセラー絵本なわけですが、これのアニメがあるのを最近知りました!

しかもAmazon primeで無料で見られます。

雪の日

雪の日

  • メディア: Prime Video
 

 

もはや時期外れになってしまいましたが、あの素敵な色使いの絵本がそのまま動いています。

絵本を読んでいてもいなくても、prime videoが観られる方はこちらもぜひ。

 

 

ちなみに「ゆきのひ」が有名ですが、主人公「ピーター」が出て来るシリーズのうちのひとつとなっていて、他にも彼が主人公の絵本がいくつかあります。

 

そのうちのひとつ、「ピーターのいす」。

この作品はピーターに妹が産まれて複雑な上の子の心境を描いています。

ピーター自身ははっきりと言語化しない感情を、行動や情景で描いている所がいい。

上の子は多分この気持ちに共感できるんじゃないかな?

 

エズラ・ジャック・キーツ/木島始 偕成社 1982年07月

 

by ヨメレバ

 

 

かぶさんとんだ / まどからおくりもの

以前「さんぽのしるし」について書きましたが、

他にも2歳〜向けの五味太郎さんの絵本で特にお勧めしたい作品を。

 

「かぶさんとんだ」

五味太郎 福音館書店 1985年03月
 
by ヨメレバ

 

あかかぶさん、しろかぶさん、それに形の似ている色々なものが次々と空を飛んで行く…
ちょっとシュールだけどシンプルで可愛い。
終わり方が少し怖いような…不思議な話。

子どもの頃に読んだなあ、そういえば、という人も多いかも?

 

 

 

「まどからおくりもの」

五味太郎 偕成社 1983年11月

by ヨメレバ


五味太郎さんのギミック絵本。はやとちりのサンタさんが窓からのぞく姿を見てプレゼントを放り込んでいくけれど… という話。


最後にみんながもらったプレゼントがどうなるのかも、なかなか楽しい。
こどもと会話しながら意外性を楽しめる本。

 

五味太郎さんの低年齢向け絵本はこういう感じのギミック絵本が豊富でどれも楽しめるのですが、2歳〜向けにあえてお薦めするならこれかなー、という感じ。