絵本のむし

おすすめの絵本をちょっとオタクかもしれない視点で紹介している。

ベーコンわすれちゃだめよ!

 

「ベーコンわすれちゃだめよ!」

パット=ハッチンス さく わたなべ しげお やく

1977年 偕成社

開いた瞬間に「この本、子どもの頃読んだことある!」と一瞬で記憶が戻ってくる、そんな絵本があったりします。

この本もそうです。たまたま図書館で手に取り、これ読んだことある!とテンションが上がりました。

 

 

忘れちゃいけないことを口に出したり頭の中で繰り返し呟くことってありますよね、私はあります。悲しいことに探し物をしながら何を探しているか忘れたりするポンコツなので「消しゴム、消しゴム、消しゴム...」などとブツブツ唱えながら探したりする事があります。

この本に出てくる男の子も、おつかいで頼まれた数点の品物を忘れないよう心の中で唱えながらおつかいに行くのですが、その品々が道すがら目に付いたものとだんだんと入れ替わっていきます。

原作は英語で書かれていて英語の韻を使ってeggがlegに変わっていく...みたいな内容のようなのですが、さすがに翻訳でそこまでは表現しきれてはいないため、日本語で読むと単純に目に付いた違う物に脳内で置き換わっている、という内容になっています。

でも、それでも全然違和感なく読めるんですよね!

 

というのも、人間は一度に3つから5つくらいの事しか同時に覚えられないと言われていますが、何か考えていても新しい情報が入って来たらトコロテン方式に押し出されて古い情報を忘れてしまったりというのは誰しも覚えがあると思うのです。(「ジョジョの奇妙な冒険」のジェイルハウスロック状態ですね...)

この絵本はまさにそういった状況を思い起こさせるので、韻を踏むという話の核となるような部分がなくなっても十分面白いわけです。逆にそれがない分、エキセントリックさが増して不思議な魅力を生み出しているとさえ思えます。

更に物語の終わりにかけての回収やオチへのプロセスもよく出来ています。

 

 

そういった妙に記憶に残る面白さだったためか、ずっと忘れていたのに見つけた瞬間に思い出してテンションが上がったのだと思います。

自分の子どもたちも、将来こうして昔読んであげた絵本に出会った時、思い出してくれたら嬉しいかも。