むしむしでんしゃ
童心社 2009年
内田麟太郎/西村繁男 童心社 2009年06月
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「ののたん ののたん」←いもむし電車の走る音。この擬音だけでも、既に最高。
私も娘もすごく気に入ってしまった絵本。いもむしの電車が走り、虫や動物、昔話の登場人物等が乗り降りしてくる。虫や生き物が擬人化されているのにリアルで良い(虫が嫌いな人は少し注意した方が良いかも?)、とにかく絵が良い。
文字はかなり少ないです。
細かい描き込みが沢山あり、読む度に新しい発見があります。そういう本は手元に持っていたくなりますよね。図書館で借りて気に入ったので、購入しました。
この本の絵は、電車を中心としつつ1枚の絵の中でさまざまな事が同時多発的に起こっていてそれぞれに物語が感じられ、何となくブリューゲルの絵っぽさを感じます(めちゃくちゃ個人のイメージですけど)。
実は1ページタッチが他と違うページがあって、長新太さんへのオマージュになっている(ブタヤマさんとキャベツ畑が描かれている)。
そういうのを子どもが自分で発見するというのもまた嬉しいものだと思います。
他にも意味ありげな絵が色々描かれていますが元ネタがあるのかないのか、意味があるのかないのかよくわからなかったりします。そのわからなさ具合がまた魅力なんですね。こどもに「どうして?」と聞かれても分からない。想像の余地があります。
でんしゃシリーズになっていて、「がたごと がたごと」「おばけでんしゃ」の2作もある(というか、「がたごと がたごと」の続編が「おばけでんしゃ」と「むしむしでんしゃ」)。
どちらも面白いけど、両方とも妖怪が出て来るので妖怪の基礎知識があった方がより楽しめそうな気も。分からなくても充分楽しめるとは思います。この本で色々なおばけを覚えると言うのもありだと思う。
個人的には「むしむしでんしゃ」が一番低年齢向けかな?という気がします。
内田麟太郎/西村繁男 童心社 1999年04月
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内田麟太郎/西村繁男 童心社 2007年06月
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シリーズを通して出て来る謎のふんどし姿の牛頭人、馬頭人なんかも謎めいていて良いです。
これを書いていたらシリーズ最新作「たたたん たたたん」が出ているのを知りました。
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