しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん
「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん」
高野文子 作
福音館書店 2014年
2歳〜
高野文子 福音館書店 2014年02月
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漫画家の高野文子さんによる絵本。
高野文子さんは絵本はこの本が初めてだそうです。
寝る前に、ふとんやまくらに安心して眠れるようにお願いをする…
良く眠れるおまじないみたいな感じでしょうか。
文章は少なくシンプルで子どもに分かりにくい感じではないですが、何とも言えない独特の不思議さがある作品。
画面構成もなんだか少し変わっている感じです。
絵に漫画感はあまりないですね。
「まかせろ まかせろ おれに まかせろ」
という台詞が、何とも言えない面白みがあって癖になる。
高野文子さんの漫画は有名ながらこれまで読んだ事がなかったので、この絵本を知ってから読んでみました。
独特な視点から描かれた繊細で独特な漫画でした。
初期作品の短編集を読んだのですが、「田辺のつる」という認知症の女性の話が良かったです。
1980年に既にこんな作品を描いていらしたとは!
(↓こちらは大人向けの漫画ですよ)
高野文子 白泉社 1982年01月01日
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こちらの漫画は初期作品なので絵も80年代の感じなのですが、最近の作風はもう少しゆるい感じでしょうか。
紹介した絵本の絵は最近の作風を更にゆる〜くした感じです。
やすみのひ
「やすみのひ」
小池 壮太
ブロンズ新社 2019年
2歳〜
小池壮太 ブロンズ新社 2019年10月18日
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目覚まし時計、ほうき、貯金箱… 身近なモノたちは休みの日いったい何をしているの?
という話。
いつも忙しい色んなモノ達の意外な休日の過ごし方が見られる、とても可愛い絵本!
やはりモノ達も休日は仕事のことは忘れて、違う事をして過ごしたいんですね。
休日から逆に職業柄?のようなものが見える所が面白いです。
作者の小池さんは洋画家だそうで、確かに完全に洋画タッチの丁寧に描かれた絵にも納得です。
靴下の休日の過ごし方、片足はインドア派でもう片足はアウトドア派っていうのも面白くて良かったですね。
あと、貯金箱が集めてるトレーディングカードらしき物とか、ネタが細かくてクスッとします。
大人的には、オンオフの切り替えだいじ!とも読める作品ですね。
ぶたぶたくんのおかいもの
「ぶたぶたくんのおかいもの」
土方久功 作
福音館書店 1970年
土方久功 福音館書店 2008年04月
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知る人ぞ知る不朽の名作絵本。
子どもの時に読んだという人も多いはず。
かくいう私も子どもの頃から家にあり、内容を暗記している大好きな本のひとつでした。
福音館書店によると、「福音館の社員の間で最も人気のある作品の一つ」なんだそうです!
古い絵本だという事を差し引いても、絵柄がなかなかにエキセントリック、しかしそこがこの作品の魅力です。大人が読むと一見子ども向きの絵じゃない、と思うかもしれないけど子どもは案外気にせずすんなり受け容れるんですよね。子どもには何が受けるか分からない、大人の先入観で本を選ばない方が良い、の良い見本ですね。
ストーリーとしてはぶたぶたくんがひとりでおつかいに行く、というシンプルな内容なんだけど、出て来るキャラクターがいちいち濃くてリズミカルな文章が面白く、妙に頭に残ります。うちの子もすぐに復唱していました。
最後に出て来る地図も、答え合わせみたいに思えるのかな?子どもはすごく好きですね。
大人になって改めて凄さが分かった、子ども向け、という視点だけでは決して出て来ないような傑作です。
もしまだ読んだ事がなければ、是非一度読んでほしい一冊。
作者の土方久功さんは絵本作家ではなくパラオに住んで図工教師をしていた事もある彫刻家・民族学者で、日本のゴーギャンとも言われた方です。ユニークな経歴がユニークな絵本を生み出したわけですね。
絵本は4冊しか書かれていないようで、私は残念ながらまだ全部読んだわけではないのですがうち2冊は東南アジアの民話絵本のようです。
もう1冊は「ゆかいなさんぽ」で、これは図書館で見かけたので借りました。
こちらはぶたぶたくんより更にシュールな内容のため、さすがに子どもの好き嫌いは分かれるかもしれません。ストーリーはオリジナルですが、絵が全編白黒でバティック柄を思わせるような南洋要素の強い絵柄になっています。娘はトラの絵が少し怖いと言っていました。
ぶたぶたくん終盤に出て来るようなリズミカルな文章がこちらにも出てきます。
土方久功 福音館書店 2011年02月
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ねこのセーター
「ねこのセーター」
及川賢治 竹内繭子
文溪堂 2006年
3歳〜
及川賢治/竹内繭子 文渓堂 2016年03月24日
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100%オレンジさんこと及川賢治さんと竹内繭子さん夫婦の作品です。
独特の色使いや絵柄がとても可愛く、またストーリーもどこかシュールだけどほのぼのしていて独特の味わいがあります。
「だらしなくてなまけものでおぎょうぎがわるい」ねこに、かなり親近感がわきますね…
この本はママ友でもある友人から薦めてもらいました。うちの子はこの絵本が大好きなんだよ、と人からお薦め絵本を教えてもらうのも新たな出会いがあって良いものです!
余談ですが私の今住んでいる市の図書館には100%オレンジさんの本が少ないのです。
他の作品ももっと読みたいので是非入れてほしいな。
でんしゃでいこう / バスでおでかけ
「でんしゃでいこう でんしゃでかえろう」
間瀬なおかた 作
ひさかたチャイルド 2002年
2歳〜
間瀬 なおかた ひさかたチャイルド 2002年01月
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田舎を走る電車。トンネルを通るたびに変わる景色、 走る電車と風景を細やかに遠景で描いている。
最初は雪がまだ残っていて、トンネルをいくつか抜けていくと雪はすっかり消えて海が見え花畑が広がって…
トンネルの中では電車の中の乗客がひとりひとり丁寧に細かく描かれていて、じっくり眺めて楽しめるようになっている。
反対側からも読めるようになっていて、裏表紙はタイトルが「でんしゃで かえろう」になっている。
同じ作者のシリーズ?のような感じで「バスでおでかけ」もある。
間瀬 なおかた ひさかたチャイルド 2006年10月31日
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こちらはクリスマスの夜の街の描き込みが賑やかで楽しい。
「でんしゃでいこう」は田舎の景色なのに対し「バスでおでかけ」は街の景色。
見ているだけでわくわくして楽しくなる。
こちらはクリスマスの時期にお薦め。
きょうのごはん
「きょうのごはん」
加藤休ミ 作
偕成社 2012年
2歳〜
加藤休ミ 偕成社 2012年09月
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今日のごはんはなにかな~ って、ネコが色んな家庭の夕飯を眺めて回るだけの本。
しかし、ごはんの絵がすごーーく美味しそう。
リアルで美味しそうな食べ物の絵本は沢山ありますが、この人の絵はリアルなだけじゃない迫力がある。今時の言葉で言うとシズル感があるって言うのかな。
大判の画面いっぱいに描かれた、焼き魚もコロッケもカレーライスも、みーんな熱々で美味しそう。
商品写真みたいなのじゃない、良いレストランで出て来るようなのじゃない、家庭で作られた少し歪だったり雑だったりする料理の感じがよく出ている。
あと、食卓や部屋の中、商店街も生活感に溢れていて懐かしくほっとするような光景が描かれています。
とにかく絵を楽しむ作品。
ぶたたぬききつねねこ
「ぶたたぬききつねねこ」
馬場のぼる 作
こぐま社 1978年
2歳~
馬場のぼる こぐま社 1978年12月
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11ぴきのねこで有名な馬場のぼるさんによる、しりとり絵本。
ストーリーはあるようなないような。最初から最後まで繋がったストーリーはありません。
ただしりとりと連想ゲームのようなイラストが続いて行きます。
でもイラストがユーモラスで可愛い!文章も単語だけなので、小さいうちから読めます。
11ぴきのねこのようなねこも出て来ます。
ひらがなが読めるようになったら、自分で読む練習にも。
続編も出ていますが、1作目の方が内容がシンプルで低年齢向けとという感じでした。
「ぶたたぬききつねねこ その2」
馬場のぼる こぐま社 1981年05月 売り上げランキング :
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こっちは「ぶたたぬききつねねこ」の可愛いこどもたち!
「こぶたたんぽぽぽけっととんぼ」
こちらの方がより低年齢向けのようです。同じ登場人物がずっと出ているのでこちらの方が一貫性がある感じ。2歳くらいだと内容的にはこっちの方がわかりやすいかも。
馬場のぼる こぐま社 1990年06月
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