絵本のむし

おすすめ絵本の紹介

ぶたぶたくんのおかいもの

「ぶたぶたくんのおかいもの」

 土方久功 作

 福音館書店 1970年

土方久功 福音館書店 2008年04月

by ヨメレバ

 

知る人ぞ知る不朽の名作絵本。

 

子どもの時に読んだという人も多いはず。

かくいう私も子どもの頃から家にあり、内容を暗記している大好きな本のひとつでした。

福音館書店によると、「福音館の社員の間で最も人気のある作品の一つ」なんだそうです!

 

古い絵本だという事を差し引いても、絵柄がなかなかにエキセントリック、しかしそこがこの作品の魅力です。大人が読むと一見子ども向きの絵じゃない、と思うかもしれないけど子どもは案外気にせずすんなり受け容れるんですよね。子どもには何が受けるか分からない、大人の先入観で本を選ばない方が良い、の良い見本ですね。

 

ストーリーとしてはぶたぶたくんがひとりでおつかいに行く、というシンプルな内容なんだけど、出て来るキャラクターがいちいち濃くてリズミカルな文章が面白く、妙に頭に残ります。うちの子もすぐに復唱していました。

最後に出て来る地図も、答え合わせみたいに思えるのかな?子どもはすごく好きですね。

大人になって改めて凄さが分かった、子ども向け、という視点だけでは決して出て来ないような傑作です。

 

もしまだ読んだ事がなければ、是非一度読んでほしい一冊。

 

 

 

作者の土方久功さんは絵本作家ではなくパラオに住んで図工教師をしていた事もある彫刻家・民族学者で、日本のゴーギャンとも言われた方です。ユニークな経歴がユニークな絵本を生み出したわけですね。

絵本は4冊しか書かれていないようで、私は残念ながらまだ全部読んだわけではないのですがうち2冊は東南アジアの民話絵本のようです。

もう1冊は「ゆかいなさんぽ」で、これは図書館で見かけたので借りました。

こちらはぶたぶたくんより更にシュールな内容のため、さすがに子どもの好き嫌いは分かれるかもしれません。ストーリーはオリジナルですが、絵が全編白黒でバティック柄を思わせるような南洋要素の強い絵柄になっています。娘はトラの絵が少し怖いと言っていました。

 ぶたぶたくん終盤に出て来るようなリズミカルな文章がこちらにも出てきます。

 

土方久功 福音館書店 2011年02月

by ヨメレバ